石原 |
1930年代、日本では軍部が満州事変をはじめとして暴走をし、国民もそれに巻き込まれていったという歴史があります。日本自らがキッチリと整理しなければならないのではないでしょうか。
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今津 |
わたしはまだ若い時、韓国の青年会議所主催のシンポジウムに出たことがあります。その時戦後の問題を聞かれて、私は謝るとすれば「創氏改名といって御国の方々を日本流の名前に変えさせ、日本語で話をさせたということについては断じて申し訳ない」と話しました。越えてはならない一線を越えてしまった、ということです。出席者からそれは日本国としての正式の考え方かと問われたので、「日本国の政治家今津寛の個人的な心情だ」と言いましたら、随分拍手がありました。
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石原 |
はあ
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今津 |
だからといって逃れるわけではないけれども、戦争というのは古来より至る所で繰り返されてきて、侵したり侵されたりしてきたものです。この戦争では日本は韓国を併合し中国に進出し南方諸国地域にも侵行していきました。その中で韓国と中国だけが、いつまでもその問題を繰り返し蒸し返してきます。
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石原 |
それはやられた国と、やった国の差ではありませんか。日本は殆どやられたことはない国ですから。
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今津 |
いや日本もやられましたよ。沖縄はメチャクチャにされ、東京その他多くの都市が無差別的に空襲され、しかも2度も原子爆弾を投下された国ですよ。そんなにボロボロにされた国や民族は他にありますか。その屈辱と苦痛をジッと堪えて、私達はなんとか平和国家として生きようとやってきたわけですよ。
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石原 |
はあ。
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今津 |
アメリカにも原爆被害の補償を求めたことはないし、われわれは自らを反省することは反省して破滅した国家を復興させ発展させてきたのですよ。そんな日本人の潔ぺきな姿勢と比較すると、韓国や中国の人達の姿勢には素直に良しと言うわけにはいきません。
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石原 |
確かに彼らは他に目的があるのでしょうね。だけど潔ぺきな日本人なのですから、自分たちのやったことをできるだけ明確化しておく作業は自ら進んでやっておくべきだと僕は思うのですが。心ならずも迷惑をかけてしまっとという村山談話の精神ですよね。
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今津 |
ですから村山談話は引き継いでいるのですよ。韓国は日本国の賠償により「奇跡の復興」を遂げることができました。中国にも1979年以来、日本から有償と無償援助あわせて3兆円を超える政府開発援助(ODA)をしています。これで中国各地の空港、鉄道、道路、港湾、発電所などがたくさん作られてきたのです。しかも今でも技術供与を中心に数百億円の援助を続けています。
でも日本はそんなことを声高に言ったことは1度もありませんよ。もちろん相手にとってみれば、「日本からお金をもらい、お金で解決したのです。」ということを自国民には言いづらいことでしょうけれど。それにしてもそのようにしてすでに決着はついているのですから。
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