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第8回 でも彼らにそう言われてしまう・・・

石原:重松社長がビームスからユナイテッドアローズを貫いて、ずっと追い求めて続けてきた事はどのようなことだったのでしょうか?

重松:多少先程と重複してしまいますが、「新しい日本の豊かさ」を提供していきたいっていうのがありますね。洋服を通してだったり、もっとライフスタイル全体だったり。
ただ、それぞれの人が感じる豊かさっていうのは違いますよね。
それはそれで、来ていただいたお客様の感性で自分なりに感じ取っていただきたいですね。

石原:今の時代の日本人はそこそこ豊かさを持ってきたといえるでしょうか?

重松:そもそも何を持って豊かだというような定義っていうのがそれぞれですからね。
金銭的な部分をだけではないですよね。時間的な豊さ、空間的な豊さなどいろいろあって何が自分にとって豊かであるかは己の身ぞ知る所で、それを明確に知っている人はすごく「インディペンデント」だし、素晴らしい日本人ではないのでしょうかね。

石原:インディペンデント、「俺はこうだ!」という意志が豊かさの原点ですかね?

重松:僕はそう信じてますよ。要は豊かだって思える絶対的な自分の基準を持ってるかどうか、ということなんですよね。そういう人がすごく少ないんですよ。
それで「メイクユアリアルスタイル」なんですよ。しかし自分の確固たる基準を持ってる人っていうのは、いろんな人と会いますけどなかなかいないですよね。
それで諸外国の人たちっていうのは、僕の知ってる範囲ですけれども、皆それぞれ豊かさの基準になるものを持っていて、それを主張できている。あれがシャクに触りますよねえ(笑)バカにされちゃいますもん、僕も。「なんでそんなに気を使うんだ?」って。
別にそんなに気なんか使ってるつもりじゃないんですけどねぇ、でも彼らにそう言われてしまう。
日本人の独持の気配りみたいなのがそうさせるみたいで、これは絶対日本人の美徳だもと思うんですが、これは世界には通用しないですね。

石原:その気配りみたいなのがですか?

重松:ただ、すごい日本通な人っているじゃないですか。そういう人たちって分かってるんですよね。

石原:それはそれで彼等はその「気配り」をどう受け止めますでしょうか?

重松:自分の意志をはっきり伝えられない。「何をしたいんだ、言えばいいじゃないか。」って言われても「いやあ、気配りをしたいんだよね。」なんて言えるもんでもないですしね(笑)。

>>次回は、ニューヨークのファッション事情。
  欧米ならではの階級社会がもたらしているトレンドのかたちとは…。
  お楽しみに。(次回12月27日予定)

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