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第9回 欧米ではやはり階級社会ですから

石原:ところで世界的に見てユナイテッドアローズと
同じポジショニングの店はありますか?

重松:アメリカとかヨーロッパに多少あったんですけれども
無くなってきましたね。

石原:「バーニーズ」あたりの今は?
バーニーズは相当の存在だったのでしょうか?

重松:バーニーズはヨーロッパの生活感をアメリカに提案しているアッパー層のお店です。時代の移り変わりで世の中が撹拌された時にいわゆるそのクラスから見放された傾向はあったと思いますけど。
でもやっぱり先進的なモノを取り入れてどんどんリニューアルしていってニューヨークに紹介する手段を持っていましたから老舗の百貨店系とはまた違うアプローチをしていましたよね。

石原:じゃあ今はアメリカは、優れたスペシャリティストアは・・・

重松:特に無いんですよね。いろいろあったんですけれどね、
結局はヨーロッパの対立ブランドに泣いたんでしょうか。

石原:ということはそれらのヨーロッパ勢はうまくアメリカの市場に刺さっていったという事と、あと縮小していった店鋪は社会的にはもう影響力を持たなくなったという事でしょうか。

重松:そうですね。
欧米ではやはり階級社会ですから、日本のクラスを越えたようなトレンドっていうのはでなかったんでしょうね。もちろん欧米でも一時、クラス内での洋服バブルってありましたよね。
あの時代のファッションはやはり先鋭的なモノであり、そういう物に身を包む事っていうのは知的な事だったんでしょう。
それがトレンドだったのでしょうが、今それとは違う方向に行っちゃったんでしょう。

石原:おっしゃるとおり先鋭的なものが、さして意味を意味を持たなくなった時代ですが日本はまだ方向を探している最中ですかね?

重松:そうですね。
で、永遠にひょっとしたら日本人の民族性っていうのは、ここだという拠り所を見つけられないままフラフラ探し続けてしまうというのがあるかもしれませんね(笑)。我々としてはそっちの方がいいんですけれども。ビジネスとして考えると。

>>次回は、ユナイテッドアローズの原点にある「トラッドマインド」から、
  その対極にある「ユニクロ」の話も。お楽しみに。(次回1月5日予定)
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ユナイテッドアローズ社長
重松 理 ver
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