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第11回 ちょっとした修行でもありますね。

石原:最後の質問をさせていただきます。服を着る事とは?人生とは?

重松:僕は洋服を着る事を自己表現だと思っています。
自分の個性だったり、人間性、例えば「私はこういう人だ」っていうのを
相手に伝える手段であり、ちょっとした修行でもありますね(笑)。

石原:「修行」ですか!?

重松:そう、いつも修行だと思っていますね。
僕は輪廻転生を信じていて、生まれてくるっていうのは前世で自分が克服できなかった事を成す為にだと思うんです。なので生きることは修行みたいなものじゃないでしょうかね。

石原:それは要するに魂のレベルを上げる事。

重松:そういう風に考えると全て納得できるからかもしれないですね。

石原:魂という言葉は最近のワールドカップ等含めて
やや復活しつつありますが、しばらく死語になりつつありましたよね。

重松:そうですね、相当長い間。

石原:じゃ魂とは何なのか?という話になると哲学的ですが、しかしどうも「ある」もの。そしてこれは重要だという感じはでてきましたよね。更に先程の「美」と今の「魂」の間を探ると日本人のいいあり方っていうのが見えてきそうですが。
そういう意味では今回のワールドカップも一つの布石みたいなものだったんではないでしょうか。

重松:刺激になってると思いますね。「魂」と「スピリット」とは
微妙に違いますよね。

石原:読者の皆さんのために、いいファッションやライフスタイルを
送るための知識、魂に刺激を受けるために良いソースを御紹介ください。

重松:海外のファッション雑誌を読む。
我々はそうして刺激受けましたし、勉強しましたし、参考になりましたね。

石原:意識的に外との接触を増やす事。国内情報は均質で、平板なものが多いので、どんどん異質で上質なものを取り入れろという事ですね。

重松:ええ、それだけではなく消化して自分なりのものを作ってください。
その他、建築雑誌とかも面白いですし、普通の家庭雑誌もいいですね。
あとは意識的にイベント事に目を向ける、展覧会でもいいですしファッションショー、音楽とかいろいろありますよね。新しい施設ができたら足を運んでみるとか。

石原:僕は日本の端の方、北海道にいて思うんですが意識して外に目を向けようとしないと安逸になりすぎます。
それでこのオクノジャーナルは、見る人が地方にいると遠くに感じてしまっている人々をすぐ隣にいるみたいに感じてそこから読者が吸収していただけるような媒体にしたいと思っております。
本当にお忙しい中、長時間ありがとうございました。

重松:こちらこそどうも。
(この後、重松社長はすぐに成田に向かったそうです。)


>>いかかでしたか?この対談は2002年7月に行われたもので、
  季刊誌オクノジャーナルの創刊号のトップを飾るものでした。
  さて次回からは、「吉田カバン」の吉田 滋会長との対談をおおくりします。
  お楽しみに。

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ユナイテッドアローズ社長
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