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第1回「建築家 丁潔民」

石原:どうもお忙しいところお時間をとっていただき
本当にありがとうございます。
ささやかなお土産ですがお持ちいたしました。
オシャレな方だとお聞きいたしましたので、
日本のとても良い雑誌を3冊選んでまいりました。
「婦人画報」と、これは車の雑誌で、
なかなか綺麗な編集をしております「エンジン」です。

丁:(「エンジン」を手にされて)わあ!これはいい。
こんな本が一番好きです。

石原:それと、これは「ブルータス」、若い男性向きのものですが、
たまたま「安藤忠雄」さんの特集をやっていましたので。

丁:安藤先生は私ども「同済大学」の名誉教授ですよ。

石原:あ、そうなんですか。日本ではいま安藤忠雄さんは、
おそらく建築家としては一番知られる存在で、
いろんなところに頻繁に登場されています。

丁:いろんな雑誌をありがとうございます。
これは私ども最新の建築の作品集です。どうぞお持ち帰り下さい。
(と「同済大学建築設計研究院作品選1998ー2000」を頂戴する。)

石原:これは私のビルの「オクノジャーナル」の創刊号です。
この号ではユナイテッドアローズという洋服屋さんの
重松社長の対談をしました。
お持ちしたシャツもこちらのユナイテッドアローズのものです。
お召しいただければれば幸いです。

丁:いろいろ気を使っていただいて、どうもありがとうございます。
「オクノジャーナル」は重松社長で創刊号、
第2号は日本を代表するカバン屋さんの
「吉田カバン」の吉田会長にお願いし、
第3号は丁院長にと伺った次第です。
どうぞよろしくお願いいたします。

丁:こちらこそ。

石原:では早速ですが、お生まれは?

丁:1957年9月24日生まれで、今年45歳です。上海生まれです。

石原:差し障りなければご両親やご兄弟のことをお教え頂けますか?

丁:父は上海の少し北にある江蘇省生まれで中学校の先生です。
母は上海生まれで会計士です。私は3人兄弟の末っ子。
中国では伝統的に子供は女1人と男1人(一姫二太郎)が理想と
言われてきましたので、私はそもそも余りみたいみたいなものですが(笑)

石原:今は「一人っ子政策」と言われていますが、全くの1人だけですか?

丁:そうです。1人だけです。

石原:丁院長が建築家になろうと志したのはいつ頃からでしょうか?

丁:大学に入る時からです。
もっとも本当に職業になったのは1992年位からですが。

石原:大学に入る前から強い動機を持たれていたのではと思いますが。
例えば安藤忠雄さんは13才位から建築家になろうと
意識したとおっしゃっていますが。

丁:私も前から建築は好きな分野でした。
その頃の中国は経済力が弱く、実際私の住んでいたところも周辺も
住宅条件は本当に悪いものでした。
しかしやがて社会が発展するにつれて必ず建物は良いものを
沢山必要とする時代が来ると思っていました。
若い時の単純な発想ではありましたが。


>>さて次回は、建築家である丁院長のお気に入りの建築物などのお話です。
  お楽しみに。(次回4月10日予定)


建築設計研究院と丁院長 同済大学建築設計研究所は建築、土木、都市設計等の各セクションに80〜100人の研究員を有し、数百人規模の巨大な組織です。国家の巨大プロジェクトの設計に中心的役割を果たしています。その研究院の院長、丁潔民氏は1994年、若干37才で院長になり、工学博士、教授、博士生導師の肩書きを持っておられます。なお、現在の中国の学問、実業、行政などの各部門の責任者は、その多くが30才台後半から40才台の知識とエネルギーが溢れる世代が中心となっているそうです。

同済大学 1907年ドイツ人によって創設された「同済徳文医学院」という医学院がその前身。「同済」とは心を合わせて助け合うという意味ですが、日本ではなぜかあまり知られていません。しかし中国では清華大学と並び称される国立の名門総合大学です。キャンパスの中心は上海市の北部郊外の四平路沿いにありますが、総面積は実に141.8ヘクタールもあります。広大な敷地内には緑が多く、その中には一般道路が走り、住居や商店もあり、巨大な学園都市のような感じです。理学、医学、工学、文学、法学、、経済学の全分野に渡り、理学院、建築と都市計画院、電子とメディア工程学院など十数学院をはじめ、3つの付属病院、50学科、大学院80研究科を擁しています。それぞれの分野は国家建設の重要な役割を持ち、研究センターとなっています。 建築学部と医学部が特に有名ですが、殊に建築学部は中国では清華大学の建築学部と双璧をなす存在です。学院総数37,000人、教授630人、助教授1,300人のほか、外国人を含む多数のスタッフが集まり活気に満ちています。

インタビュー経緯 現在の中国において、建築設計の中心的存在のお一人、丁博士に単独インタビューが可能になったのは(株)クローバーシステム、社長で旭川日中友好協会のメンバーである栗田和成氏、札幌在住の高翔氏のネットワークによるものです。また、現地上海では通訳兼案内を勤めていただいた同大の厳万翔院長助理に万全の協力体制をとっていただきました。皆様に心より感謝とお礼を申し上げます。

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