第14回「つまり、自分を持っている人はみんな
    カッコイイと思いますよ。」


栗野:う〜ん。
多分きちんとした自分の生き方とかに誇りをもっていて、
トレンドなんかを気にしなかったからじゃないでしょうか。
その時代としてはヨーロッパで何が流行っているかというようなことに
敏感だったのかも知れないけれど、
今トレンドに乗らなきゃいけないとか
「俺ってイケてるかな」なんて
全然考えなかったんだと思いますよ。

石原:なるほどねぇー。
今そのマインドでやったら、
それはカッコイイ人になるでしょうかね?

栗野:という人もいるでしょうね。
結局はその人に帰属されると思うんですよ。
つまり、自分を持っている人はみんなカッコイイと思いますよ。
例えばスタイリストがつく前の「鉄の芸術家」の篠原クマさん…。
格好良かったですけどね。

石原:今はダメですか?

栗野:今は着せられている感じがします。
いつも着物着てたじゃないですか。
あの時はすごくカッコイイ人だと思いましたよ。
今でも生きてる人で女性だったら、
岸恵子さんとか淡路恵子さんとかは
カッコイイなぁと思いますね。
こういう人たちって、永遠におしゃれで
永遠に色っぽいんだろうと思います。

石原:色気はやっぱり大事ですか?

栗野:そうですね。
アメリカ人の場合、ジャック・ニコルソンのことを「セクシー」といい、
ジョン・グリーンシオンも「セクシー」といい、
すごく太っているミュージシャンのことも「セクシー」といいますが、
それは「チャーミング」なんだと思うんですよね。
そういう意味で「チャーミング」というのは、
日本の今の言葉でいえば「イケてる」というのでしょう。
「チャーミング」が、今の時代の多分「セクシー」なんですよ。

石原:なるほど。

栗野:だけど岸恵子さんや淡路恵子さんを色っぽいというのは、
全然違うところにあると思うんですよね。
品があったり、筋が通ったものがあったり…。
だからなんとか姉妹とは違いますよね。
色気ってのは、もっとディープなところを
ゾクッとさせてくれることじゃないかな。

石原:なるほど。

栗野:最近僕のまわりでも
着物を着ている人が結構いるんですが…。
たとえばUAのパーティなんかや、
誰かの結婚式なんかでも和服を着てくる女性スタッフがいるんですよね。
それを見ちゃうと残念ながら服屋として負けたと思いますよ。

石原:なるほど…(笑)

栗野:絶対カッコイイですよ。
色っぽいし…。
なんだよ〜僕らがこれでは
何十年もやっているのが意味ないじゃない!
って思ったりもします。

石原:幸い毎日和服を着てるわけにいかないんで…(笑)

栗野:そう…。
日本女性に一番似合うのは
やっぱりこれなんだなぁと思いますよ。
男は昔の人と比べて体型変わっちゃいましたから、
頭が小さくなったり、腰が細くなったりすると
和服は似合わないですけど、
女の子はモダンな体型の子でも、
着方によって似合っちゃいますしねぇ…。

石原:更に話しをすすめさせていただきます。
ご自分が「最も楽しい時間」とはどういう時でしょうか?

栗野:自分が自分らしくいられる時間ですよね。
やっぱり、音楽聴いてる時とか、散歩している時とか、
自然の中にいる時間とか、
家族といる時間もそうですし…。

石原:ご自分が最も「無」に近い状態のとき…。

栗野:ぐっとリラックスできる時ですよね。
そういえば、先日UAの役員研修で禅寺に行きました。
そこで役員5人がUAの次世代に残すべき重要な因子を再発見しよう、
5人が共通にもっているものは何だろう、
その最小公倍数と最大公約数は何か
というようなことをやったんですが。
40分間座禅を組んで、40分話し合うというようなペースです。
その過程でたまたま僕だけナチュラルハイになっちゃったんです。





>>栗野氏がナチュラルハイになってしまった禅寺研修。
  どんな体験だったのでしょう? 次回をお楽しみに。





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