第3回 衆議院議員/鈴木宗男
   インタビュアー/石原嘉孝/オクノ社長


それがダメというのなら、自民党の議員はみんな捕 まりますよ。

石原: ここは重要なところかと思いますので、あえてお聞きします。
先生の今までの「政治活動のスタイル」はかなり誤解されていて、
「お金に貪欲で、強権的である」というイメージが流布しましたよね。

鈴木: そのように私が言われるのを自分なりに考えてみますと、
権力の世界というのは、“ねたみ”“ひがみ”“やっかみ”の世界であるからだと思います。

石原: ハァ

鈴木: 確かに、私は普通の議員の方より多額の献金を受けて来たと思いますよ。
でもなぜ私にお金が集まるかといえば、理由があるから集まるんですよ。

石原: ・・・・。

鈴木: 将来性があるからですよ。

石原: なるほど

鈴木: それはそうでしょう。
魅力がなくて将来性がなければ、そこに誰も投資する人はいませんよ。

石原: そりぁそうです。

鈴木: しかも政治家への投資というのは、
それは全く言ってみれば単に「気持ち」のものですよ。
なぜ肩入れするかといえば、見返りを求めてではなく、
期待や願望とともに「応援したい気持ち」「がんばってくれよ」という気持ちがあるからですよ。

石原: それは小沢一郎さんなんかも同じでしょうね。

鈴木: そうそう そのとおりです。でも・・。

石原: でも・・。

鈴木: その辺は日本のどうもいけないところなんですよ。
たとえば昔は多額納税者が公表されましたよね。
それらの大半の人は一生懸命働いているから多くの税金を納めているのですよ。
でもマスコミは、多額納税者はウサンくさい、何かしらウマい事や悪いことをやっているのではないかという見方で報道します。

石原: えぇ

鈴木: 政治家に対しても同じですよ。
政治資金をたくさん集めたら、何か悪いことをやっているんじゃないかとメディアや周りの人は言い立てます。

石原: ハァ

鈴木: 私もそうです。
「政治献金の違反」容疑で捕まって調べられました。
でも結局法律違反をしているような何かが出たかといえば何も出ませんよ。
「ムネオハウス」とやらで三井物産からもらったんじゃないかと調べられましたが、私は一銭ももらっていませんよ。
それでも検察は「2億3億もらっている」と言い張るのですよ。
辻元清美議員が「アフリカへの支援で鈴木宗男が税金の無駄使いをしている」と言いましたが、いくら調べても何も出ません。

石原: ハァ

鈴木: 帯広の「やまりん」という会社から、
私はお祝いをもらって領収書を切りました。
ちゃんと領収書を切ったお金が何でワイロといわれるのですか。
それがダメというのなら、自民党の議員はみんな捕まりますよ。

石原: なるほど

鈴木: それで「鈴木は金に汚い」とか何とか言われたって、
この私はどうすればいいのですか。
私はすべてキチッとやっているので何も変なものは出るわけがありません。

石原: ハァ

鈴木: だから松山千春さんが、「鈴木宗男ほどきれいな政治家はいない」と証言してくれたんですよ。
その時あれだけメディアもなんだかんだと調べまわったんですが結局は何も出なかったんですよ。
だからそのメディアもその後は私を攻撃できないでテイサイが悪くなったのか、いつの間にか黙ってしまいました。





それはやっぱり応援してくれる方々と
私との個人的な信頼関係なのですよ。


石原: 日本のマスメディアは、いつまでたっても小児病的ですよね。

鈴木: 日本のマスメディアは総じてムードに流され易いと思います。
更に言えばメディアだけでなく、どうしても日本人は国民性として複眼的見方が苦手ですよね。

石原: そうですね。

鈴木: 日本のマスメディアの多くは、特に政治的な報道では白か黒か、
右か左か、ハト派かタカ派か、などと単純に分けたがりますよね。
ちょっと視点が狭ますぎですよね。

石原: この数十年、日本人は死ぬ目に合っていないということがありませんか。
一人一人が自分で判断せざるを得ないという切羽詰った立場に立たされることがないので、まあ単純判断で済んできたという。

鈴木: えぇ、まぁそれもありますが、政治の世界で言いますとね。
小泉さんがやった、いわゆる「新自由主義」の政策によって結局、
さまざまなところで格差を広げることになりましたよね。
それと同時に彼のやった後は、特に政治家みんなは良心や信念といった
「心」をなくしてしまったんですよ。

石原: なるほど。

鈴木: もう、ともかくね、最近はみんな努力をしないで出世しようとする風潮ですよ、本当に。
見渡しても世襲や官僚出身の政治家が多くなりましたよ。

石原: ハァ

鈴木: それで、私のようなタタキ上げの政治家が活躍すると、
ねたみ、ひがみ、やっかみが出てくるんですよね。

石原: まぁ坊ちゃんというのか、いわゆるそのエリート側から見ると、
先生のような政治家に少し「異質感」を持つでしょうしね。

鈴木: えぇ、でも私は人々に選ばれ、
その代弁者である国会議員である限りは、
ちゃんと目的を持って仕事をし、当たり前のことを当たり前の形で貫いてやってきましたし、今後もやりますよ。

石原: ハァ

鈴木: 私は誰にも負けないようずっと頑張ってやって来ましたよ。
ですからあれだけ叩かれた後でも、北海道から沖縄まで全国どこに行っても、「がんばって」とみんな声をかけてくれますよ。

石原: えぇえぇ

鈴木: そのように人間関係だとか、人間味だとか、
政治家としての将来性だとか、さまざまな要素が入って皆さんが私にお金を出してくれるんですよ。

石原: なるほどね。

鈴木: 私は今「一人会派」ですから「企業献金」をもらうことができません。「団体献金」もなしですよ。
「政党助成金」はもちろんもらえません。
「一人会派」というのはそれらを受ける政治団体に該当しません。
それでもねぇ、ありがたいことに私には活動するためのお金はちゃんとしっかり集まってきていますよ。

石原: ・・・。

鈴木: それはなぜかといえばね。
それはやっぱり応援してくれる方々と私との個人的な信頼関係なのですよ。

石原: なるほどね…。
やっぱり「政治家とお金」ということはそういうことですか…。

鈴木: そうですよ。
日本の政治の環境は、小泉政権以降はすっかりアメリカ調の市場原理主義的な「弱肉強食」の世界になりました。
それにマスメディアも乗っかってその風潮を広めましたよね。
そして、面白おかしくある人達を持ちあげ、
面白おかしくある人達を茶化し攻撃しました。
でもこれは大変なまちがいですよね。

石原: 小泉さんのやり方はそうでしたね。

鈴木: いや小泉さんもそうですが、メディアもいわゆるその「劇場型政治」とやらを持ち上げて、あおって来ましたよ。

石原: えぇ

鈴木: だからメディアもねぇ、いま自分で自分の首を絞めていますよ。
あおるだけ国民をあおりましたからね。
冷静になった国民は、そのようなメディアの姿勢に不信感を持ち信用しなくなって来ましたからねぇ。

石原: そうですねぇ そして若い人達を中心にマスメディア離れ現象です。
インターネットやケイタイによる情報の方が便利で正確であると思い始めましたからね。

鈴木: その上に景気が悪くなってきましたから、広告収入も激減です。
そんなこんなで、いまやマスメディアはみんな赤字決算ですよ。

石原: えぇえぇ。

鈴木: かつてそれらのマスメディアによって私はものすごく攻撃され、
たたかれましたよ。
でもねぇ。どの報道も本当のことを自ら調べないで、
事実をゆがめての攻撃でしたからね。

石原: ハァ

鈴木:
「ムネオハウス」だとか、三井物産の北方支援だとか、アフリカの発電所だとかねぇ。
「疑惑だ疑惑だ」と騒ぎ立てて報道しましたが、
私が全く身ぎれいでなんのやましいことがないことがわかってから、
彼らはどんな訂正報道をしましたか。
騒ぎ立てただけで、後は知らん振りですよ。

石原: そうですね

鈴木: その「疑惑」なるものの情報を流したのも、
元をたどればみんな「権力側」であり、外務省であり、検察じゃないですか。
私を利用するだけ利用して、使うだけ使っておいて、
正しいことを貫こうとする私や佐藤優氏などがどうにも目ざわりになってくると、マル秘の公文書を偽造したりまでして、
平気で私たちを背中から切りつけてきたのですよ。

石原: なるほど

鈴木: 私はそういった「権力」、間違った「権力」を甘やかしてはいけないとつくづく思います。

石原: まさに国策捜査。
ただその人間を失脚させ、葬り去ることだけを目的として事件をでっちあげる。
国家権力の恐るべき闇の部分ですよね。

鈴木: ・・・そう・・・・。







>>特に政治家は言葉だけの人が多いと思いますね。



 
copyright (c) 2009 by OKUNO all right reserved



これまでの特集対談

衆議院議員
鈴木宗男 ver
第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>
第6回目 >>
第7回目 >>
第8回目 >>


旭山動物園 園長
小菅正夫 ver
第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>
第6回目 >>
第7回目 >>
第8回目 >>


旭川市・市長 
西川将人 ver
第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>


ユナイテッドアローズ常務取締役クリエイティブディレクター
栗野宏文 ver
第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>
第6回目 >>
第7回目 >>
第8回目 >>
第9回目 >>
第10回目 >>
第11回目 >>
第12回目 >>
第13回目 >>
第14回目 >>
第15回目 >>
第16回目 >>



優佳良織 織元
木内綾 ver
第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>
第6回目 >>
第7回目 >>
第8回目 >>
第9回目 >>
第10回目 >>


北海道東海大学教授
織田憲嗣 ver
第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>
第6回目 >>
第7回目 >>
第8回目 >>
第9回目 >>
第10回目 >>


北海道東海大学大学院生
張彦芳 ver
第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>


同済大学建築設計研究院院長
丁潔民博士 ver
第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>
第6回目 >>


吉田カバン会長
吉田 滋 ver

第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>
第6回目 >>
第7回目 >>
第8回目 >>
第9回目 >>
第10回目 >>
第11回目 >>


ユナイテッドアローズ社長
重松 理 ver

第1回目 >>
第2回目 >>
第3回目 >>
第4回目 >>
第5回目 >>
第6回目 >>
第7回目 >>
第8回目 >>
第9回目 >>
第10回目 >>
第11回目 >>